こんにちは!春の訪れとともに、新たなビジネスチャンスも増える季節になりましたね。
今回は前回に引き続き、「値引き交渉されても、お互いWin-Winになる方法」の【心得編】をお届けします。
フリーランスや個人事業主にとって、値引き交渉は避けて通れない関門です。
ここで不当な条件を飲んでしまうと、疲弊するだけでなく、質の低いサービス提供につながり、結果的にお客様にも迷惑をかけてしまいます。
しかし、この5つの心得を持っておけば、感情的にならず、プロとして毅然と、そして円満に交渉をまとめることができます。
お互いが気持ちよく、質の高い取引ができるように、ぜひあなたのビジネスの「軸」としてご活用ください。
心得1・ お客様の言いなりにならない「プロ意識」を持つ

「お客様に誠実に対応すること」と、「お客様の言いなりになること」はまったく違います。
お客様の言いなりにならないのは、あなた自身が提供するサービスの質を守るためです。
- 採算度外視の安請け合いは、質の低下を招く
お客様の要望の中には、技術的に難易度が高すぎたり、予想外に時間を要するものがあります。
採算が合わない条件で無理に引き受けてしまうと、「無理・無茶・無謀」から質の良いサービスは生まれません。
- あなたのサービスを最も理解しているのはあなた自身
お客様は専門外だからこそ、時に無理な要望を伝えてきます。
その要望が現実的かどうか、あなたのリソースに見合うかを判断し、プロとして適切な代替案や「NO」を提示することが、最終的にお客様への誠実な対応につながります。
「舐められないため」ではなく、「質の高いサービスを提供し続けるため」に、毅然とした態度で臨みましょう。
心得2:消耗戦を避ける「撤退ライン」を事前に決めておく

お客様からの値引き交渉や条件調整がうまくいかず、交渉がこう着状態になることは多々あります。
相性やタイミングの問題もありますし、どちらかが悪いわけではありません。
しかし、長引けば長引くほど、お互いの労力と時間が無駄になります。
ダラダラとした交渉による消耗戦を避けるためにも、事前に「この条件で決まらなければ手を引く」という撤退ラインを決めておきましょう。
交渉の場面では、誰でも冷静な判断ができなくなりがちです。
- 「せっかくここまで時間をかけたのだから…。」
- 「少しでもお金になればいい…。」
といった焦りや感情で納得しないまま引き受けてしまうと、後々その仕事に振り回され、他の良質な案件を受ける機会を逃します。
特に目に見えないサービス(コンサル、ライティングなど)を売っている主婦起業家は、サービス原価が曖昧になりがちです。
必ず「時間単価の最低ライン」を明確にし、これを下回る場合は潔く撤退する勇気を持ちましょう。
心得3:トラブルの種を生まない「例外のない共通ルール」を徹底する

契約条件に関しては、極力例外を作らないようにしましょう。
長年の知人でも、最近知り合った人でも、誰に対しても同じルールで接することで、事業者としての信用を得ることができます。
「お友達価格」を安易に設定することは特に危険です。
- 実績づくりのための期間限定の協力など、明確な目的がある場合を除き、サービスの価格や条件を感覚や好き嫌いで変えてはいけません。
- 「あの人は優遇されたのに、私はダメなの?」といった不公平感は、後々のトラブルやクレームの原因になります。
「例外なく皆様にお願いしているルールです」と伝えることで、多くのお客様は納得されます。
契約書や入金関係の条件については特に一貫性を持つことで、ビジネスパーソンとしての信用・信頼につながります。
一度例外を作ると際限なくなることを肝に銘じましょう。
心得4:口約束を避け、必ず「契約書・書面」を交わす

値引き交渉があった取引は、通常よりも条件が複雑になりがちです。
だからこそ、契約書(書面)の重要性がより増します。
値引き交渉は口頭でされることが多いため、口約束は厳禁です。
- 必ず契約書に交渉で決めた詳細な条件を記載し、お互いに読み合わせを行った上で契約を結びましょう。
- 契約書の作成が難しい場合は、せめてメールやチャットで「今回のお話し合いの内容をまとめました。上記でお間違い無いでしょうか?」という形で、必ずテキストで最終確認を取るプロセスを導入してください。
トラブルなく取引が終えられることが大半ですが、万が一に備えてプロテクトをかけることは、自分と家族を守る上で必須です。
心得5:明らかに不利な条件を提示する「テイカー」とは取引しない

心得②で「撤退ライン」についてお伝えしましたが、それは前向きな話し合いをした上での話です。
もし、最初から前向きな話し合いができず、明らかにあなたに不利な条件ばかりを一方的に提示してくる相手であれば、撤退ライン以前に、取引をしないと決断することが重要です。
- テイカー(奪う人)との取引は消耗するだけ
不利な条件ばかり押し付けてくる相手は、あなたから奪うことしか考えていません。
どんなに仕事が欲しくても、関わらない方が得策です。
- 取引は対等に行われるべき
「お金を払う方が偉い」という考えはありますが、ビジネスは基本的に双方の信用と誠実さがあってこそ成立します。
経験を積むうちに悪質な相手は見分けられるようになります。
その時に毅然とした態度で「NO」と言えることは、自分自身と提供するサービスの価値を守ることに繋がります。誠実なビジネスパートナーとだけ仕事をしましょう。
以上が、値引き交渉されても後悔せず、お互いWin-Winの関係を築くために大切な5つの心得でした。
ぜひご自身のビジネスの軸として取り入れてみてください。


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