「紹介するする詐欺」に注意!ビジネスで損をしないための対応策

起業のリアル

ビジネスの現場で「紹介しますので・・・」という言葉を耳にしたことがある方は多いかと思います。

実際、取引や契約時に、「紹介」を持ち出して値引きを要求されたり、条件変更を持ちかけられることがあります。
私自身も、これまで数多くそのような場面に遭遇してきました。

しかし、こういった「紹介するから〇〇してほしい」と言ってくる人の多くは、実際には紹介をしてくれないケースがほとんどです。

これは、「私がそういう経験をしたから」という理由だけではありません。
論理的に、そうなる明確な理由が存在するからです。
具体的な理由としては下記の3つです。

1・紹介には不確定要素が多い
2・紹介すること自体が手間とリスクを伴う
3・紹介を交渉材料に使う時点で信頼に欠ける


そのため、ビジネスの現場で搾取されないためにも、「紹介するする詐欺」の実態について理解する必要があります。
今回は、このような「紹介するする詐欺」に対してどう対処すべきか、その背景と注意点についてお伝えします。

1. 「紹介するする詐欺」とは?

「紹介するする詐欺」とは、筆者の造語ですが、似たような言葉は世の中にたくさんあるのではないかと思っています。

この言葉は、ビジネスの交渉において「紹介する」という言葉を持ち出し、値引きや契約条件の緩和を求める人たちのことを指します。

表面上は無害に見えるかもしれませんが、実際には無理な値引きをさせたり、不本意なサービス契約や商品購入をさせる結果につながるため、相手に損害を与える行為となり得ます。

詐欺と呼ぶ理由

なぜ「詐欺」という表現を使うのかというと、紹介するつもりがないのに「紹介」を交渉材料として持ち出し、相手に不当な譲歩を求めることは、相手に実質的な損害を与える行為だからです。

単なる口約束で「紹介します」と言い、結果的に何の行動も取らない場合、相手のリソースを搾取している行為に他なりません。


「たかが口約束」と思うかもしれませんが、実際には紹介できる具体的なあてもないのに「紹介しますので」と言って、自分の希望する条件を押し通すことは、その時点で相手から何かを奪っていることを忘れてはいけません。

2. 本当に紹介してくれる人は交渉材料に「紹介」を使わない

本当に紹介してくれる人は、「紹介」という行為を自分の交渉材料にはしません。
彼らは、紹介すること自体を目的としているわけではなく、信頼関係を築いた上で、自然に他の人にあなたのことを推薦するものです。
つまり、彼らにとって「紹介」は条件ではなく、相手に価値を提供する自然な行動です。

実例

例えば、ある経営者が「見込客を紹介するから、この取引は値引きしてくれ」と言って契約を結んだものの、何も紹介が行われなかったという話はよく耳にします。

本当に紹介をするつもりの人は、事前にそのような要求をしません。
取引が終わり、相手が満足すれば自然に他の顧客を紹介してくれるものです。
だからこそ、「紹介」を条件に交渉する人に対しては注意が必要です。

知り合ったばかりの相手であれば、できるだけ関わらずにそのまま関係をフェードアウトしていきましょう。
長い付き合いの相手で、そのような一面が見えてしまった場合は、ビジネスでの関わりを絶つことでトラブルになることを防ぐことができます。

3. 「紹介するする詐欺」を無意識にやってしまう可能性

この「紹介するする詐欺」は、意図的に悪いことをしようとしているわけではないケースもあります。
実際は、「本当に誰かいれば紹介するつもりだった!」という方が大半なのでしょう。
しかし、ここで大事なのは「本当に紹介できるかどうかは不確定」という点です。

なぜ無意識で危険なのか?

人は、善意で誰かを助けたいと思っていても、実際にその行動ができるかは別問題です。
例えば、「誰か紹介できるかもしれない」という気持ちだけで条件を引き出してしまうと、その約束が実現しなかった場合、相手に期待を抱かせた分、信用を失うリスクが生じます。
ビジネスでは、できない約束を軽々しくすることは、一気に信用を損ない、自分の首を絞める結果となります。(もちろん、プライベートでも同じです。)

実例

ある企業が、「イベントに参加してくれれば、後日重要な取引先を紹介します」と言われ、イベント参加費を払ってまで参加したのに、結局その紹介はなされなかった。という事例もあります。
ビジネスの場で「紹介します」と約束して何も提供できないことは、信頼を失う行為です。

4. その場で断るのが難しい時の対処法

ビジネスの交渉中に「紹介するので値引きしてほしい。」などと言われた場合、すぐに断るのが難しい場面もあるかと思います。
そんな時は、「それでは、ご紹介いただいた時に、紹介料をお支払いしますね。」といった形で軽く流すのが効果的です。

なぜこの方法が有効か?

この返答は、相手に対して「紹介」が確実な成果を伴わない限り、値引きや条件変更に応じない姿勢を示しつつ、角を立てずに対処することができます。
これにより、無理な要求を避けることができ、同時に「本当に紹介するつもりがあるなら、その時点で対応しますよ。」というメッセージを伝えることができます。

5. 信用を守るために避けるべきこと

最後に、この「紹介するする詐欺」を無意識にでもやってしまうことが、どれほど大きなリスクを伴うかを理解しておくことが大切です。

ビジネスの世界では、約束は信頼の基盤です。
できない約束を条件に、相手から値引きや商品を購入させると、その時点で相手から「奪っている」ことになります。
そして、自分が何も返さなければ、詐欺まがいの行為と言われても仕方ありません。

習慣化に注意

この「紹介するする詐欺」は、一度やってしまうとそれが習慣化し、自分でも気づかないうちに周囲から信用を失ってしまうことにつながります。
最初は軽い気持ちで言ったつもりでも、ビジネスの現場では「信用」を失うことで自分のビジネスに大きな打撃を与えかねません。

さらに、この「紹介するする詐欺」の厄介なところは、軽い気持ちで言えてしまうからこそ、自分自身もそのようなことを言ったことを忘れているケースが多いということです。
けれども、言われた方はハッキリ覚えています。

「え、そんなこと言ったっけ???」と、言った方はその程度の認識かもしれませんが、実際に身を切った側にとっては「紹介します」の言葉は非常に重たいものになります。

だからこそ、絶対に「紹介」を交渉材料に使ってはいけないのです。

まとめ

「紹介するする詐欺」に巻き込まれないためには、相手の発言を慎重に見極めることが重要です。
紹介を条件にした取引や値引きの要求には、軽々しく応じないようにしましょう。
本当に信頼できる人は、「紹介」を取引の材料には使わないということを覚えておくと良いでしょう。

そして、自分自身も軽はずみに「紹介」を約束しないことが、長期的なビジネスの成功に繋がります。

最後に、紹介が確実に実行されるかどうかは不確定であり、それを取引の材料にすることは相手に損害を与える可能性があることを忘れずに、健全なビジネスの関係を築いていきましょう。

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